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公開日2022.10.19最終更新日2022.11.01脂肪注入法
【脂肪壊死】脂肪注入でトラブル多発!?壊死後も再度脂肪注入は可能?
脂肪注入でバストに移植した脂肪組織はすべてが定着するわけではなく、一部は死んでしまいます。脂肪組織が死んでしまうことを脂肪壊死(えし)と言います。
壊死する脂肪が多いと、バストアップ効果が小さくなるだけでなく、しこりができるリスクが高まります。
脂肪注入は危険な手術というわけではありませんが、脂肪壊死以外でもトラブルが生じるケースがあります。
脂肪壊死や脂肪注入で起こるトラブルについて、わかりやすく解説します。
目次
脂肪壊死とは?
脂肪は脂肪細胞でできています。細胞は血管などを通して外から栄養をもらい、体にとって重要な活動をして、老廃物をリンパなどに排出しています。
細胞は栄養が足りないと死んでしまいます。細胞や組織(細胞のあつまり)が死んでしまうことを、壊死(えし)と呼びます。
脂肪注入では、自分の体から採取した脂肪細胞をバストに移植します。移植された脂肪細胞が栄養不足で死んでしまうのが、脂肪壊死です。
脂肪注入では多かれ少なかれ脂肪壊死が発生します。少量の壊死であればとくに問題になりませんが、大量に壊死すると、しこりができたり、壊死した細胞に細菌感染が広がったりすることがあります。
脂肪壊死はなぜ起こる?
バストに移植した直後には、まだ脂肪細胞に血管などがつながっていないため、血管を通して栄養を補給することができません。代わりに、周りの組織からじわじわとにじみ出してくる栄養を吸収することで、脂肪細胞はなんとか生きのびます。
しばらくすると、移植された細胞にも毛細血管ができてきて、太い血管とつながって、そこから栄養を取り込めるようになります。そうなればもう安全です。
移植直後に周りから吸収する栄養が不十分だと、脂肪細胞は生き残ることができず、壊死します。
栄養不足が起こらないようにするためには、脂肪をできるだけ小さな粒にして、点々とばらして(分散させて)注入することが大切です。
反対に、大きな塊で注入すると、塊の外側にある細胞は栄養を吸収して生き残れますが、塊の内側のほうにある細胞は栄養を吸収できずに死んでしまいます。
小さな粒で注入したとしても、一箇所にたくさんの粒を入れてしまうと、内側にある粒(ほかの粒に取り囲まれてしまっている粒)には栄養が十分に届かず、脂肪壊死が起こります。
脂肪壊死を防ぐ方法
先ほども述べたとおり、脂肪をなるべく小さく、細かくして、ばらして注入することが最も大切です。
患者さんのなかには、一度に大量の脂肪を注入して欲しいとリクエストする方がいますが、そうしたことは避けましょう。
きちんと危険性を説明した上で、そうしたリクエストを拒否するような医師であれば問題ないのですが、リクエストになんとか応えようとしてしまう医師や、患者さんの体のことは考えずに、危険とわかっていてもやってしまう医師もいるので、注意が必要です。
1回に注入する脂肪の量は、片胸あたり約200ccが限度と考えてください。
脂肪注入で起こる脂肪壊死以外のトラブル
脂肪壊死からしこりに
壊死した脂肪は小さければそのうち体の中に吸収されてなくなってしまいますが、大量の壊死が起こった場合、しこりになってしまうことがあります。
このしこりは自然に消えてなくなることはなく、外科手術で取り除く必要があります。
細菌感染
まれに、注射針に付着している細菌が原因で感染症が起こり、化膿して熱が出たり、腫れや痛みが続いたりすることがあります。
手術器具は滅菌してから用いますが、細菌を100%死滅させるということは不可能です。また、患者さんの抵抗力(免疫力)が体のどこかで弱まっていたりすると、ごく少量の細菌でも感染が引き起こされることがあります。例えば、脂肪壊死が起こっている箇所では、細菌感染が広がりやすくなります。
細菌感染症が起きても、早めに対処すれば、抗生剤の飲み薬や点滴などでほとんどの場合は症状が治まります。
術後の胸への圧迫で生じるトラブル
脂肪注入後のバストに圧迫や衝撃が加わると、未定着の脂肪が移動してバストの形が変わったり、新たにできた毛細血管などが傷ついて定着率が下がったりする恐れがあります。
脂肪注入を受けてから1ヶ月くらいの間は、胸への圧迫や衝撃をなるべく避けてください。ブラもできれば着けない方がよいでしょう。
脂肪を吸引した部位のトラブル
脂肪注入では、バストよりも脂肪を吸引した部位にダメージが強く出ます。
脂肪の吸引の仕方に問題があると、後遺症が残ることがあります。例えば、脂肪を吸引する箇所が偏っていて、一箇所から大量の脂肪を吸引したりすると、皮膚がたるんででこぼこになったり、へこんでしまったりします。
脂肪壊死後にもう一度脂肪注入はできる?
脂肪が壊死すれば、その分だけ豊胸の効果が弱まります。大量の壊死が起こると、形が不自然になることもあります。
左右で脂肪の定着率が大きく違うと、バストの大きさが違ってしまい、不揃いなバストになります。
そうしたバストでも、再度豊胸を行ってバストアップしたり、形を整えたりすることが可能です。
ただし、壊死した脂肪がしこりになったり、細菌感染が起こったりした場合には、しこりの除去手術や感染症の治療を行った上で、バストの状態が安定するまで待たなければなりません。
目安としては、半年程度は様子を見る必要があるでしょう。
バストの状態が落ち着いたら、もう一度脂肪注入をすることもできますし、それ以外の方法(成長再生豊胸やシリコンバッグ挿入など)を行うこともできます。
脂肪壊死が起きていても、注入した脂肪は多かれ少なかれ残っています。成長再生豊胸は元手となる脂肪や乳腺が多いほど効果を発揮しやすいので、脂肪壊死後の再手術の方法としてとくにおすすめです。
成長再生豊胸は壊死やしこりなどのリスクがなく、安全性が高いのもメリットです。
まとめ
- 脂肪壊死とは、注入した脂肪細胞が死んでしまうこと。
- 脂肪を塊で注入したり一箇所にたくさん注入したりすると脂肪壊死が起こりやすい。
- 脂肪壊死を防ぐには、脂肪をなるべく細かくして、分散して注入すること。患者さんも大量注入をリクエストしないようにすること。
- 脂肪壊死以外では、しこり、細菌感染、脂肪吸引部位の後遺症などのトラブルがある。
- 脂肪壊死後に再度豊胸を行うことは可能で、効果やリスクなどの点で成長再生豊胸はとくにおすすめできる。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
の2種類があります。
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当院には、
成長再生豊胸の他に脂肪注入法
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