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公開日2022.05.11最終更新日2022.06.06脂肪注入法
脂肪注入法、どうすれば定着率を上げられる?
脂肪注入法でバストアップするには、ただ脂肪を注入しただけではだめで、注入した脂肪が生きた細胞としてきちんと定着する必要があります。したがって、できるだけたくさんの脂肪が定着する方法で施術を行うことが重要です。
定着率が悪いとバストアップの効果が薄くなるだけでなく、しこりができる危険も高まります。
信頼できるクリニックを選ぶためには、患者さんも定着率をよくする方法についてある程度知っておいたほうがよいでしょう。このコラムでは、脂肪が定着しない原因や定着率を高める方法についてわかりやすく解説します。
目次
脂肪注入法で脂肪が定着しない原因
脂肪注入法は、脂肪というモノを胸に詰め込むだけの手術ではありません。
脂肪は脂肪細胞が集まってできています。脂肪細胞は周囲から栄養を取り入れたり、老廃物を外に排出したりしながら、体の中で生きています。
脂肪注入法では、生きている脂肪細胞を自分の体から採取して、バストに注入します。そして、この注入された細胞がバストのなかに生きた状態で定着することで、バストの脂肪に変わるのです。生きて定着することを専門用語では「生着」と言います。
脂肪の「注入」というと気軽な感じがしますが、実際には脂肪の「移植手術」です。自分の細胞を使うのは、移植の「拒絶反応」が起こらないようにするためです。拒絶反応が起こると、移植した脂肪が免疫に攻撃されて死滅してしまいます。
脂肪注入法の場合は自分の脂肪を入れるので拒絶反応は起こりません。しかし、新しい居場所(乳房の中)で周囲からうまく栄養を取り入れることができないと、そのうち死んでしまいます。
うまく栄養を取り入れて命をつなぐことができると、やがて新しい毛細血管ができて周囲と脂肪細胞をつなぎ、栄養などのやりとりを円滑に行えるようになります。これが生着した状態です。
そうなれなかった脂肪細胞は死んで、体に吸収されてしまうか、吸収されずに居残って、しこりの原因になります。現代の技術では、移植した脂肪すべてを生き残らせる(=定着させる)ことはできず、ある程度はどうしても死んでしまうのです。
脂肪注入法で定着率を上げる方法
脂肪注入法の手順に沿って、定着率を上げる方法を紹介します。
細いカニューレで脂肪を吸引する
脂肪注入法では、まず余分な脂肪がある部位にカニューレという管を挿入し、脂肪を吸引して採取します。カニューレは極細のものを用いると定着率を高めるのに効果的です。
後で述べるように、定着率を上げるためには採取した脂肪にいろいろと加工を施さなければなりませんし、なるべく細かい脂肪を注入することが必要です。
カニューレが太いと、体へのダメージが大きくなるだけでなく、採取される脂肪が大粒の塊になってしまいます。脂肪が大粒だと加工しづらいですし、細かくするのも大変です。
極細のカニューレを用いれば、初めから細かい脂肪が採取でき、加工も効率的に行え、結果として定着率が高まります。
吸引した脂肪の純度を上げ、加工する
採取した脂肪には、壊れてしまった細胞や手術で用いた麻酔薬・生理食塩水などの不純物が混じっています。このままの状態で脂肪をバストに注入すると、不純物のせいで脂肪細胞に栄養が届きにくくなり、定着率が下がります。
そのため、遠心分離機などを用いて不純物を除去し、濃縮して純粋な脂肪にします。
脂肪のなかには脂肪幹細胞というものが含まれており、傷を修復したり新しい血管を生み出したりする力を持ちます。
採取した脂肪から幹細胞がとくに豊富に含まれている部分を抽出し、注入用に純度を高めた脂肪に混ぜ合わせておくと、脂肪が生き残る可能性が高まります。
南クリニックでは、細胞の増殖を促進する働きを持つ成長因子という物質も同時にまぜて、バストアップ効果をさらに高めています。
先端が丸い針を用いて脂肪を注入する
脂肪をバストに注入する際には、先端が丸い注射針を用います。そのほうが周辺の組織を傷つける恐れが小さくなるためです。
周辺の組織を傷つけてしまうと、血液やリンパの流れが滞り、注入した脂肪に栄養が届きにくくなって、定着率が下がります。
脂肪を少量ずつ、分散して注入する
細かい脂肪を、少量ずつ、分散して注入することが非常に重要です。
脂肪を胸に詰め込むだけであれば、大きな脂肪の塊を用いたり、1箇所に大量に注入したりするほうが効率的です。
そのようなやり方をすると、脂肪細胞どうしが集団になってかたまった状態でバストのなかに注入されることになります。
たまたま集団の外のほうにいる細胞には栄養が届きますが、中のほうにいる細胞は十分な栄養を受け取ることができないため、死んでしまいます。集団のごく一部の層しか定着しないのです。
脂肪の細かい粒を、なるべくばらばらの位置に少量ずつ注入すれば、集団の中のほうにいて死んでしまう脂肪細胞の数は格段に少なくなります。つまり、ぐっと定着率が上がるわけです。
細かい脂肪を少しずつわけて注入するのは、注意力と根気がいる作業で、時間もかかりますが、脂肪注入法を適切に実行するためにはどうしても必要なことなのです。
まとめ
- 脂肪注入法ではすべての脂肪が定着することはなく、脂肪の一部は十分な栄養を得られずに死んでしまう。
- 定着率を上げるには、脂肪が栄養を受け取りやすい状態にする必要がある。
- 具体的には、脂肪を細いカニューレで吸引し、不純物を除いて適切に加工し、少量ずつ分散して注入することが重要。
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