1年前に成長再生豊胸を受けましたが、サロンなどでバストアップマッサージを受けても大丈夫ですか？

結論から申しますと、適度なマッサージであれば、とくに問題はないでしょう。処置直後などであれば、気をつけなければならないことがありますが。

通常の成長再生豊胸Wでは、注入した成長因子は１ヶ月程度バストにとどまり、バストの細胞を増殖させるきっかけとして働きます。

この間に定期的にマッサージを行うと、血行やリンパの流れがよくなりすぎて、バストの成長因子が外に流れ去ってしまう恐れがあります。そのため、１ヶ月程度はマッサージはしないほうがよいのです。

南クリニックでは通常の成長再生豊胸を成長再生豊胸Wと呼んでいますが、これ以外にも、成長再生豊胸Fというメニューがあります。成長再生豊胸Fでは、成長因子と一緒に細胞外マトリックスの成分を注入します。

この物質の働きで、成長因子はより長く、安定してバストにとどまります。長い人では6ヶ月程度とどまっていることがあります。術後1ヶ月以上経てば、マッサージを行っても流れ去る心配はありません。

成長因子がとどまっているバストにマッサージを行うと、刺激によって細胞の成長を促進し、バストアップ効果を高めることができます。そのため、バストの状態が安定する手術後1ヶ月目くらいから、逆に毎日マッサージを行うことを推奨しています。

成長再生豊胸から１年後ともなれば、どちらの手術法であっても注入した成長因子はすべてなくなってしまっているはずなので、マッサージが問題となることはないでしょう。逆に、豊胸の効果も期待できませんが。

そうですね、医学的に考えると、通常のバストがマッサージで大きくなるとは考えにくいです。

バストが大きくなるということは、バストの乳腺や脂肪の細胞が増えるということです。乳腺の成長には女性ホルモンと成長因子が必要ですが、大人の女性のバストには乳腺の成長因子がほとんど存在しないため、基本的に乳腺は成長しません。ただし、妊娠期は例外です。

マッサージで血行などが改善されれば、バストの健康によい影響があるでしょうが、バストの脂肪だけが目に見えて増えるというようなことはないでしょう。

医学的にそれはありえません。脂肪を別の部位に移動するには、移植手術が必要です。豊胸手術に脂肪注入法というものがありますが、これはまさに移植手術です。

バストの皮膚の深いところにある組織の弾力性を高めることができれば、バストにハリが出て、バストを豊かに見せることできます。

しかし、コラーゲンなどを含んだクリームを塗ってマッサージしたとしても、クリームの成分は皮膚の表層までしか浸透しません。

よく、「美容成分が角質層に浸透」といった表現を見かけますが、角質層というのは皮膚の最も外側の層です。角質層に保湿成分が浸透すれば、肌に潤いが出て、バストの見た目はよくなりますが、大きくなることはありません。

特別な機械を用いて電気パルスの力で美容成分を深く浸透させる「エレクトロポレーション」という施術があります。これをマッサージのメニューに組み込んでいるサロンやクリニックもあります。

しかしこの施術で本当に美容成分が深層まで浸透するかは疑問です。それに、仮にエレクトロポレーションで美容成分が深層まで浸透したとしたら、かえって危険だと思います。

そうした施術で使われる美容成分は体にとっては異物です。例えば、コラーゲンを含む薬剤がよく用いられますが、体のなかで自然に作られるコラーゲンとは別物です。そのようなものが深層まで浸透したら、重い副作用が生じる恐れがあります。

南クリニックでも豊胸後のマッサージを推奨することがありますが、成長再生豊胸Fのように、効果が期待できる特別なケースに限られます。

マッサージするだけでバストアップ効果のような特別な効果が得られるという話は、あまり真に受けないほうがよいでしょうね。