コラム
column
公開日2022.11.22最終更新日2022.12.09豊胸基礎知識
豊胸すると乳がんになる?乳がん検診は受けられない?豊胸と乳がんの疑問を解説!
「豊胸は胸に異物を入れるので乳がんにならないか心配」という声をよく聞きます。
豊胸が原因で乳がんになるリスクは非常に低いのですが、豊胸術のなかには確かに乳がんと多少関係があるものがあります。
「豊胸すると乳がん検診が受けられなくなるのですか?」という質問もよく受けます。
乳がん検診がまったく受けられなくなるわけではありませんが、豊胸術の種類によっては、マンモグラフィー検査が受けられなくなったり、診断に影響が出たりします。そのため、乳がん検診の問診票では豊胸経験の有無を聞かれることがあります。
このコラムでは、豊胸と乳がんに関する疑問を解説します。
目次
豊胸すると乳がんになりやすい?
実は、豊胸手術が乳がんの原因になることがあるかどうか、まだはっきりわかっていません。欧米の医学界では、豊胸手術を受けても乳がんのリスクが高くなるわけではない(豊胸していない人と同レベル)という考えが主流です。
かつて日本では、シリコンバッグを挿入するのではなくシリコンを直接バストに注入する豊胸術が行われていた時代がありました。シリコン注入法の場合、発がんリスクは否定できないようです。
シリコンバッグも、破損したり、中身がにじみ出したりすることがあるため、乳がんになるリスクがないとは言い切れないかもしれません。
最近の研究によると、ヒアルロン酸はがんを促進する働きをする場合があることがわかっています。ある種の炎症が発症している状態のバストにヒアルロン酸を注入した場合、乳がんにつながる恐れは否定できません。
いずれにしても、豊胸手術(シリコンバッグ挿入やヒアルロン酸注入)が原因で乳がんになるリスクは、あったとしてもごくわずかだと考えられます。
乳がん(乳腺のがん)ではありませんが、豊胸手術との関係がはっきりしているがんがあります。それは、乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫という血液のがんです。
表面がザラザラで凹凸が浅いタイプのシリコンバッグを胸に挿入した場合、平均8年程度でBIA-ALCLが発症する恐れがあります。
アラガン社が開発したこのタイプのシリコンバッグがとくに発症しやすいとされ、現在は出荷停止になっています。
BIA-ALCLの発症率は低く、アラガン社のものであっても2,200人から3,000人に1人(0.030~0.045%)と言われています。
豊胸していると乳がん検診が受けられない?
乳がん検診が受けられないケース
乳がん検診の検査方法には、マンモグラフィ検査、超音波(エコー)検査、MRI検査があります。
マンモグラフィ検査では、乳房を板の間に挟んで押しつぶし、X線撮影(レントゲン撮影)をします。
シリコンバッグ挿入豊胸をしていると、バッグが圧迫されて破損する危険があるため、マンモグラフィ検査は受けられない(断られる)のが通例です。
市区町村で行っている乳がん検診はマンモグラフィ検査が中心なので、シリコンバッグ挿入豊胸をしている人は断られる場合が多いでしょう。
超音波(エコー)検査やMRI検査はどの豊胸術を受けていても行うことができます。
職場で実施している検診では、マンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査のいずれかを選べる場合が多いようです。
自由診療の検診(人間ドックなど)であれば、料金は高額になりますが、自由に検査方法を選べます。
シリコンバッグを乳腺の下ではなく大胸筋の下に挿入している場合、マンモグラフィ検査で破損する可能性は低いため、自由診療であればマンモグラフィ検査を受けられることもあります。
豊胸で入れた物が乳がん検診の妨げになるケース
豊胸手術でバストに入れた物が邪魔になって、正確な診断がしづらい場合があります。
ヒアルロン酸注入豊胸や脂肪注入豊胸ではしこりができることがあります。さらに、しこりの周りにカルシウムなどが付着して固まり、非常に硬い殻ができてしまうこともあります。これを「石灰化」といいます。シリコンバッグの周囲でも石灰化が起こることがあります。
乳がんでもしこりや石灰化が起こり、乳がん検診ではしこりや石灰化を見つけて乳がんの疑いがあるかどうかを判断します。
豊胸のしこり・石灰化と乳がんのしこり・石灰化は区別しにくいため、豊胸でしこり・石灰化が生じていると、「乳がんの疑いあり(要精密検査)」と判断される可能性があります。
乳房の中身は主に乳腺と脂肪でできていますが、乳腺の割合が多い乳房(デンスブレスト)の場合、マンモグラフィ検査で撮影した映像が全体的に白っぽく写ってしまい、乳がんの発見が難しくなります。
デンスブレストの方がヒアルロン酸注入豊胸を受けていると映像がさらに白っぽくなり、乳がんの発見がより難しくなることがあります。
豊胸を知られたくなくて、乳がん検診を避けてしまうケース
たとえ相手が医師や看護師であっても、豊胸していることを知られたくないと感じる方は多いようです。
シリコンバッグ挿入豊胸を受けている場合、マンモグラフィ検査や超音波(エコー)検査、MRI検査の映像にシリコンバッグがはっきり映ってしまうため、隠していても必ずバレます。
マンモグラフィ検査などの前に視診や触診が行われることがあり、シリコンバッグ挿入豊胸やヒアルロン酸注入豊胸をしている場合、バストの不自然さからこの段階で豊胸がバレることがあります。
検査映像などではバレなくても、しこりや石灰化が生じていると「要精密検査」ということになって、結局は打ち明けないといけなくなるかもしれません。
豊胸を知られたくないというのは当然の感情ではありますが、バレたくないという理由で乳がん検診を避けていると、乳がんの発見が遅れる恐れがあります。
乳がん検診には影響がないケース
成長再生豊胸であれば、どんな検査でも受けることができますが、できれば申告することをおすすめします。
成長再生豊胸は異物を詰め込む手術ではなく、成長因子によってバストの乳腺・脂肪の成長を促す豊胸術です。
成長再生豊胸で育った乳腺・脂肪はもとからあった乳腺・脂肪と何ら変わりません。しこりができたとしても、途中経過での反応であり、永久に残るということはありません。
したがって、乳がん検診の際には、処置を受けて日が浅い場合には特に、豊胸をしたことを申告する必要があるでしょう。
ただし、すでに乳がんを発症している方が成長再生豊胸を受けると乳がんの進行を早めてしまう恐れがあるので、豊胸前に乳がん検診を受けておいたほうがよいでしょう。
まとめ
- 豊胸が乳がんの原因になるかどうかははっきりわかっていない。
- 乳がんと関係があるかもしれないと言われているのは、シリコンとヒアルロン酸による豊胸。
- たとえ豊胸が原因になることがあったとしても、リスクは非常に低い。
- シリコンバッグ挿入豊胸を受けていると、マンモグラフィ検査は受けられないことが多い。
- シリコンバッグ挿入・ヒアルロン酸注入・脂肪注入でしこり・石灰化が生じてると、乳がん診断の妨げになることがある。
- バレたくないという理由で乳がん検診を避ける人も少なくなく、がん発見を遅らせる要因になっている。
- 検診も医療行為であり、従事するスタッフには守秘義務があるため、豊胸の手術歴ははっきりと伝え、積極的に検診を受けるようにしたい。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
の2種類があります。
-
- すぐに大きくしたい方にオススメ
-
- 段階的に大きくしたい方はこちら
当院には、
成長再生豊胸の他に脂肪注入法
もあります。
-
- 豊胸と同時に痩身も可能