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公開日2023.08.13最終更新日2023.09.13豊胸基礎知識
豊胸の種類を徹底比較!後悔しないための基礎知識を美容外科医が解説

豊胸手術を検討している方に向けて、豊胸の種類を比較しながら紹介します。手術方法や効果・メリットだけでなく、費用やデメリット、よくある後悔のパターンまで、美容外科医の視点で徹底解説していますので、豊胸術選びにぜひ活用してください。
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目次
豊胸の種類とは
現在クリニックで行われている豊胸術は大きく分けて4種類あります。
シリコンバッグ豊胸
脇の下や乳房の直下をメスで切開して、シリコンジェルなどを詰めたシリコン製バッグを挿入
ヒアルロン酸豊胸
ヒアルロン酸をカニューレ(手術用の太めの注射針)で直接胸に注入
脂肪注入豊胸
自分の体から皮下脂肪を採取し、加工した上で、バストに注入(移植)
成長再生豊胸
成長因子という物質をカニューレで直接注入し、バストを思春期の頃のような状態にして、乳腺や脂肪を自然に成長させる
同じ豊胸術でも、胸に入れる物や手術方法にいくつかの種類があります。
シリコンバッグ豊胸の種類
シリコンバッグ豊胸に使うシリコンバッグはたくさんの種類があり、シリコンバッグの入れ方(切開・挿入部位)にもいくつか種類があります。
豊胸に使うシリコンバッグの種類(モティバなど)
シリコンバッグには色々な製品があり、「中身」「形」「表面の性質」で分類されます。
最近の製品は中身にソフトコヒーシブシリコンを使っているものがほとんどです。少数ですが、昔主流だった生理食塩水バッグを用いたメニューを提供しているクリニックもあります。生理食塩水入りバッグは耐久性などに問題がありますが、比較的安価です。
形状は「ラウンド型(浅いお椀の形)」と「アナトミカル型(しずくのように上部が薄くて下部が膨れている形)」が基本です。ラウンド型はバスト上部のボリュームを出しやすく、アナトミカル型は立った姿勢での形が自然なのがメリットです。
最新型の製品だと、立った姿勢ではアナトミカル型、横になるとラウンド型になるタイプもあります(モティバの「エルゴノミックス/エルゴノミックス2」やベラジェルの「スムースファイン」)。姿勢に応じて形が変化するので、比較的自然に見えます。
表面は、「スムースタイプ(つるつる)」と「テクスチャードタイプ(ザラザラ)」が基本です。スムースタイプは手触りがよい反面、カプセル拘縮が起こりやすく、マッサージによるメンテナンスが必須です。テクスチャードタイプはカプセル拘縮が起こりにくいですが、手触りは今ひとつです。
最近のモティバの製品はスムースタイプでも加工によりカプセル拘縮を起こりにくくしています。テクスチャードタイプでもザラザラを細かくして手触りをよくした製品(メスモなど)もあります。
シリコンバッグの入れ方の種類
シリコンバッグ豊胸では、脇の下か乳房のすぐ下(バストの膨らみで隠れる部分)を数センチ切開してバッグを挿入します。脇の下のほうが傷跡が目立ちにくいですが、大きなサイズのバッグを入れる場合や、バストが垂れている方の場合には、脇の下からでは難しいことがあります。
シリコンバッグを挿入する位置は、「①乳腺下(乳房の中の深いところ)」「②大胸筋膜下(乳房と大胸筋の間にある膜の下)」「③大胸筋下(大胸筋の中)」があります。
①→③の順に挿入位置が深くなり、術後の痛みが増しますが、バッグの輪郭が表面に出にくくなります。
①だとバッグが多少揺れますが、②③だと揺れないので、不自然さが増します。③に大きなバッグを入れると、大胸筋が盛り上がって乳房の感触が硬くなることがあります。
もともとのバストが小さい方は、①だとバッグの形・感触が表面に出やすいので、②か③を選んだほうがよいでしょう。もともと大きい方は、①のほうが自然な感じになりやすいです。
ヒアルロン酸豊胸の種類
注入されたヒアルロン酸は少しずつ分解されて体内に吸収されていきます。通常は半年~2年ほどでヒアルロン酸がすべて吸収されます。十分なバストアップ効果が実感できるのは長くても1年ほどでしょう。
吸収されにくいヒアルロン酸を用いたメニューを用意しているクリニックもあります。料金は高くなりますが、すべて吸収されるまでの期間が3~4年程度に延びます(バストアップ効果を実感できる期間はそれより短いです)。
脂肪注入豊胸の種類
脂肪注入豊胸では、注入した脂肪の細胞のうち何割かは死んでしまい、定着しません。周囲から十分な栄養を補給して生き残り、新しく血管を作ることができた脂肪細胞だけが定着し、バストアップ効果を発揮します。
脂肪注入豊胸は「脂肪の採取→加工→注入」という流れで行われますが、脂肪の加工方法を工夫することで、定着率を高めるこができます。
加工方法にはいくつかの種類があり、脂肪注入豊胸は加工方法によって別々の名称で呼ばれることがあります。クリニックが独自のネーミングの脂肪注入豊胸を開発することもあります。
一方で、採取や加工の方法に独自の工夫を加えていても特別な名前を付けずに「脂肪注入豊胸」とだけ呼んでいるクリニックもあります。
以下のような名称は、多くのクリニックで共通して用いられています。①→④の順に定着率が高く、費用も高額です。
①ピュアグラフト豊胸(最も普通の脂肪注入豊胸)
採取した脂肪をフィルターに通し、不純物を除去
②コンデンスリッチ豊胸
遠心分離機にかけて不純物を除去し、質のよい脂肪を濃縮
③セリューション豊胸(脂肪幹細胞注入豊胸)
採取した脂肪を2つに分け、一方からは脂肪幹細胞だけを抽出して活性化し、もう一方は不純物を除去して濃縮してから、2つを混ぜ合わせる(脂肪肝細胞は細胞のダメージを回復したり、血管を作る働きを高めたりして、脂肪の定着率を向上させる)
④脂肪幹細胞培養豊胸(セルチャー豊胸)
採取した脂肪から抽出した幹細胞を培養して増やし、別に採取して純化・濃縮した脂肪と混ぜ合わせる(③とは「幹細胞を培養して増やす」という点が違う)
成長再生豊胸の種類
成長再生豊胸では、成長因子を注入してバストが自然に成長するのを待つのが基本的な方法で、バストアップ効果が出るまである程度時間がかかりますが、成長因子と一緒に別の物質を注入することで、即効性を持たせることも可能です。
南クリニックでは通常の方法を「成長再生豊胸W」、即効性を持たせた方法を「成長再生豊胸F」と呼んでいます。
①成長再生豊胸W
成長再生豊胸Wでは、バストの乳腺や皮下脂肪の細胞を増殖させる働きを持つ多種類の成長因子を注射します。成長因子の効果は注射から3ヶ月~6ヶ月かけて徐々に現れます。
1セットの処置で平均25〜30cc程度の豊胸効果があり、2セット目、3セット目と回数を重ねるほど、1セット分の効果が増していく傾向があります。処置と処置の間は最低2週間空ける必要があります。
②成長再生豊胸F
成長再生豊胸Fでは、成長因子と一緒に細胞外マトリックスの成分を注射します。細胞外マトリックスの成分が乳房にボリュームを与えるので、手術後すぐにバストアップ効果を実感できます。1セットの処置の効果は25〜30ccほどです。
その後、徐々に成長因子の効果が現れて乳房が大きくなっていき、細胞外マトリックスの成分は逆にだんだんと体内に吸収されていきます。最終的には本物の乳腺・脂肪と細胞外マトリックスが入れ替わります。
種類別、豊胸のメリット・デメリットとよくある後悔のパターン
それぞれの豊胸術のメリット・デメリットとよくある後悔のパターンを表にまとめました。総合的に見てその豊胸術がどんな人に向いているかも解説しています。
シリコンバッグ豊胸のメリット・デメリットとよくある後悔
メリット |
1度に2カップを超えるようなバストアップが可能 |
デメリット |
・感触が不自然で、姿勢によって形が変わらない(とくに仰向けになったときにシリコンバッグが目立つ) |
よくある後悔 |
・感触や形の不自然さ、術後の痛み・ダウンタイム、傷跡などのせいで、周囲にバレてしまった |
シリコンバッグ豊胸はデメリットが多い方法ですが、1度で2カップを超えるようなバストアップが可能なのはこれ以外にありません。
巨乳に憧れがあって、とにかくバストを大きくしたいという方にはシリコンバッグ豊胸が向いていると言えます。最新型のシリコンバッグ製品を選べば、デメリットを多少軽くできます。
ヒアルロン酸豊胸のメリット・デメリットとよくある後悔
メリット |
・カニューレ(注射針)で注入するだけの手術で、手軽 |
デメリット |
・注入したヒアルロン酸は半年~2年ですべて消える(バストアップ効果が実感できるのはせいぜい1年程度) |
よくある後悔 |
・思ったより効果が続かなくて、お金を無駄にした |
ヒアルロン酸豊胸は非常にコスパの悪い豊胸術です。持続期間が多少長いタイプもありますが、コスパはさほど変わりません。
「披露宴で胸の開いたドレスを着るため、そのときだけバストアップしていればいい」「本格的な豊胸はまだ気が引けるので、ためしに少しだけ大きくしてみたい」といった限定的な理由であればヒアルロン酸豊胸でもよいでしょうが、バストアップした状態を維持したい方は別の豊胸術を選んだほうがよいでしょう。
脂肪注入豊胸のメリット・デメリットとよくある後悔
メリット |
・天然の脂肪なので、感触が柔らかくて自然 |
デメリット |
・無駄になる脂肪(加工で失われる脂肪や定着せずに死んでしまう脂肪)がある |
よくある後悔 |
・しこり・石灰化が生じて、除去手術が必要になった |
脂肪注入豊胸は、体型がある程度ふくよかで、仕上がりの自然さを重視する方に向いています。予算が許す限り、できるだけ定着率が高いタイプを選ぶのがよいでしょう。
成長再生豊胸のメリット・デメリットとよくある後悔
メリット |
・本物のバストが育つので、形・感触などは自然そのもの |
デメリット |
・通常の方法だと、すぐには大きくできない |
よくある後悔 |
・十分にバストアップするまでにかなりの時間・回数がかかり、費用が高額になった |
成長再生豊胸は自然さをとくに重視する人、ゆっくり時間をかけられる人、周囲にバレたくない人に向いています。すぐにバストアップを実感したいのであれば、南クリニックの成長再生豊胸Fを検討してください。
豊胸の値段を種類別に比較
豊胸手術の値段の相場を種類別に表にまとめました。サイズにより値段が変わってくる豊胸術(ヒアルロン酸豊胸・成長再生豊胸)については、1カップアップするための値段の目安を挙げてあります。
|
値段 |
シリコンバッグ豊胸 |
モティバ「エルゴノミックス2」などの最新型シリコンバッグ:100~130万円 最新型以外のソフトコヒーシブシリコンバッグ:60~100万円 生理食塩水入りシリコンバッグ:50万円程度 |
ヒアルロン酸豊胸 |
通常のヒアルロン酸:1ccあたり2,000~5,000円、左右に70ccずつ(計140cc)で28~70万円 持続期間の長いヒアルロン酸:1ccあたり6,000円~8,000円、左右に70ccずつ(計140cc)で84~112万円 ※70ccはアンダーバスト70cmの人が1カップ上げるための目安量(1カップの目安=アンダーバストのサイズ) |
脂肪注入豊胸 |
ピュアグラフト豊胸:40~80万円 コンデンスリッチ豊胸:90~130万円 脂肪幹細胞注入豊胸:140~160万円 脂肪幹細胞培養豊胸:170~190万円 |
成長再生豊胸(南クリニック) |
【成長再生豊胸W】 1セット:33万円 1カップアップ(2~3回):66万~99万円 【成長再生豊胸F】 1セット目:38万5,000円 2セット目以降:1セットあたり33万円 1カップアップ(平均3セット):71万5,000円~104万5,000円 |
まとめ
- 豊胸術はシリコンバッグ豊胸、ヒアルロン酸豊胸、脂肪注入豊胸、成長再生豊胸の4種類。
- シリコンバッグ豊胸に使うバッグには色々な製品があり、最近の製品は形や表面の性質などを工夫して自然さや安全性を向上している。切開部位は2種類、バッグを入れる位置は3種類。
- ヒアルロン酸豊胸には通常タイプと多少持続期間を長くしたタイプがある。
- 脂肪注入豊胸は脂肪の加工方法にいくつか種類がある。
- 成長再生豊胸はバストアップに時間がかかるのが普通だが、即効性を持たせたタイプもある。
- シリコンバッグ豊胸はとにかく大きくしたい人、ヒアルロン酸豊胸は一時的に大きくしたいだけという人、脂肪注入豊胸は自然さを重視する人で痩せ型ではない人、成長再生豊胸は自然さをとくに重視し、バレるのを避けたい人に向いている。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
の2種類があります。
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- すぐに大きくしたい方にオススメ
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当院には、
成長再生豊胸の他に脂肪注入法
もあります。
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- 豊胸と同時に痩身も可能