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公開日2024.10.05最終更新日2024.12.09豊胸基礎知識
医師が教える!育乳マッサージの効果と注意点|豊胸後のケアも紹介
「育乳マッサージでバストアップしたい!」
バストのサイズをアップしたり形をよくしたりするための「育乳マッサージ」が様々なメディアで取り上げられていますが、これには実際どのような効果が期待できるのでしょうか。また、どのようなやり方でマッサージするのが最も効果的なのでしょうか。
本記事では医師の視点から育乳マッサージの効果や注意点について解説します。
目次
バストのボリュームと形がつくられる仕組み
マッサージの効果を考える前に、バストのボリュームと形がどのような仕組みでつくられ、保たれているかを理解しておく必要があります。
バストのボリュームがつくられる仕組み
バストの中身はおもに枝状に広がった乳腺(母乳を生み出す器官)と脂肪からなります。乳腺がよく発達していて脂肪が多いほどバストは大きくなります。
乳腺の発達は女性ホルモンと成長因子の働きで起こります。卵巣などでつくられた女性ホルモンが血流に乗って胸の細胞に達すると、女性ホルモンの働きで成長因子が活性化します。成長因子は細胞に働きかけて増殖を引き起こし、これにより乳腺が発達します。
乳腺が発達するとそれを取り囲むように脂肪が蓄積し、両者が相まってバストを大きくさせます。
一般的には20代半ば頃に乳腺の発達が停止する
乳腺は思春期によく発達しますが、それ以降は成長因子があまり働かなくなり、20代半ば頃には発達が停止するのが一般的です。
なお、妊娠・授乳期は例外的な時期で、乳腺が急激に発達し、脂肪も蓄積してバストサイズが(人によっては2カップ以上も)アップします。
ただし、発達した乳腺はしだいに衰退し、授乳期後にはもとのバストサイズに戻ります。
バストの形がつくられる仕組み
バストの丸みのある形は、乳房内に張り巡らされたクーパー靱帯によってつくられています。
クーパー靱帯にゆるみが生じると、乳腺や脂肪が重力に引かれるまま垂れ下がって、バストは「垂れ乳」になります。
加齢とともにクーパー靱帯は次第にたるみ、バストはどうしても垂れていきます。早い人では20代にバストの垂れを自覚し始めます。
一度伸びたクーパー靭帯は元に戻らない
加齢以外では、妊娠や大幅な減量によってクーパー靱帯のたるみがしばしば起こります。
クーパー靱帯は伸びることはあっても元のように縮むことはありません。妊娠期にバストが大きくなるにつれてクーパー靱帯は伸び、授乳期後にバストがもとのサイズにもどったときには伸びていたぶんだけゆるみが生じます。
減量により胸の脂肪が大量に落ちてバストサイズが大幅にダウンした際にも、同様の理由でクーパー靱帯のたるみが目立つことがあります。
そのほか、激しい運動や乳房への無理な圧迫によってクーパー靱帯が傷つき、ゆるみの原因になることがあるため、外部からの刺激には注意が必要です。
育乳マッサージの効果
結論、バストの仕組みから考えて、マッサージにはどのような効果が期待できるでしょうか。
脂肪は自力で別の部位に移動することはないため、マッサージで脇や背中の脂肪を乳房に持ってくるというようなことは不可能です。
ただし、バストには間接的によい効果が期待できる可能性があるため、詳しく解説していきます。
育乳マッサージはバストに間接的な効果が期待できる
バストの仕組みから考えて、マッサージには下記のような効果が期待できます。
- 血行促進
- 心身のリラックス
- デコルテが綺麗に見える
これらはあくまで間接的な効果であり、マッサージしただけで目に見えてバストアップする、バストの形がよくなるわけではないことを理解しておきましょう。
血行促進
乳腺や脂肪が増殖するためには栄養が必要なため、血行が悪くなるとバストに栄養が届かなくなります。
マッサージをすると血行が促進されるため、栄養がバストの細胞まで届きやすくなりバストの成長が促されると考えられます。
心身のリラックス
過剰なストレスを感じると、女性ホルモンの分泌を妨げたり、血行が悪くなったりする可能性があります。
マッサージにより心身がリラックスし、睡眠不足やストレスが改善されるのであれば、バストにとってもよい影響をもたらすでしょう。
デコルテが綺麗に見える
マッサージは老廃物の排出を促す働きがあるため、浮腫みを軽減・予防する効果が期待できます。
鎖骨や胸の上部のリンパマッサージを行うことで、むくみが取れてデコルテが綺麗に見えるようになるでしょう。
育乳マッサージクリームを使っても効果は変わらない
世の中にはバストアップクリームと呼ばれるものが出回っていますが、バストを大きくするという医学的な根拠はありません。
バストアップクリームは下記などの効果を謳っているようです。
- バストの脂肪を増やす
- 乳腺の発達を促す
- バストの肌の弾力・うるおいアップ
バストアップクリームにはボルフィリン※1、プエラリア※2、コラーゲン※3、ヒアルロン酸※4など、バストアップや弾力アップに効果的とされる成分が含まれています。
バストの肌にはある程度の効果を実感できる可能性がありますが、バストのサイズアップに関しては外側からのアプローチのみでは不可能です。
そのため、マッサージクリームを使用したからといってマッサージの効果が得られやすくなるということはありません。
※1:ネット病院
※2:東京美容外科
※3:e-ヘルスネット
※4:化粧品成分オンライン
育乳マッサージ機の効果にも医学的根拠はない
ブラジャーのカップの部分に挟めるような形のマッサージ機もあるようですが、バストクリーム同様にバストアップ効果の医学的な根拠はありません。
育乳マッサージ機には下記のような効果が謳われています。
- EMS微電流によってバストのツボに刺激を与える
- 温熱によって血流を促進し、バストに栄養を届ける
- LEDの光でバストの肌のハリをアップさせる
安全性に関しても不明な点が多いため、無闇に使用するのは避けましょう。
育乳マッサージは痛いくらいがいい?3つの注意点
強い力でマッサージしたり、頻繁かつ長時間にわたってマッサージしたりすると、クーパー靱帯を傷め、バストの形を悪くしてしまう危険があるため注意が必要です。
ここではバストマッサージする際の注意点や、その理由を紹介していきます。
過度な力でやらない
痛みを感じるほど強くマッサージした方が効果的だと思っている方もいるかもしれませんが、強いマッサージは逆効果になります。
バストを支えているクーパー靭帯は、外部からの刺激により損傷するため、バストの形が崩れてしまう原因になるからです。
また、痛みを感じると体が緊張状態になり血流が悪くなるためバストに栄養が届きにくくなります。育乳マッサージをする際はなでるような優しさを意識しましょう。
頻繁にやり過ぎない
マッサージの頻度が高いからと言って、効果も高くなるわけではありません。育乳マッサージは5〜15分程度の長さを1日1回行うのがおすすめとされています。
1回にまとめてやるのではなく、コツコツ長期間やることが大切です。
ストレスを感じたらやめる
バストの悩みを自力で解決しようと考えて長期間マッサージを続けると、その行為がかえってストレスになり、逆効果となることがあります。マッサージでリラックスできないようであれば、むしろやらないほうがよいでしょう。
なお、マッサージする際は乳房そのものよりも乳房の周囲を穏やかにマッサージして血行を促進することを心がけましょう。
豊胸後にマッサージは必要?
目に見えるほどバストを大きくしたり、垂れた胸を張りのある上向きの形にしたりするには、マッサージやトレーニングだけでは不十分で、美容外科の豊胸術が必要です。
豊胸術にはシリコンバッグ挿入法、ヒアルロン酸注入法、脂肪注入法、成長再生豊胸があります。豊胸後のマッサージの必要性について、それぞれ解説していきます。
シリコンバック豊胸とマッサージ
シリコンバッグ挿入法は、シリコンジェルなどを詰めたシリコン製のバッグを胸に挿入するという豊胸術で、術後にマッサージが必要になることがあります。
シリコンバッグの周囲には体の自然な働きにより皮膜ができ、体質によっては放っておくと皮膜が硬くなりカプセル拘縮を引き起こす可能性があるからです。
そのため、シリコンバッグ豊胸後は正しいマッサージを行い、しょうかを挿入したポケットを柔軟に保つことで皮膜の拘縮を予防していきます。
シリコンバック豊胸後のマッサージの基本ポイントと注意点
マッサージの基本的なやり方と注意点を紹介します。
- 垂直にシリコンバッグをやさしく押さえるように行う
- シリコンバッグがバスト全体に広がるように押す
- 術後2~3か月ほど続ける
- 強すぎると逆効果になるためやさしく行うことを意識
クリニックによってはマッサージを推奨していないところもあるため、具体的なやり方は治療を受けたクリニックの指示に従いましょう。
なお、しばらくの間は痛みが生じやすいため、注意と忍耐が必要です。
ヒアルロン酸豊胸とマッサージ
ヒアルロン酸豊胸とは、粒子が大きめのヒアルロン酸を注射器で胸に注入する豊胸術で、術後のマッサージは避ける必要があります。
注入部にマッサージや圧迫をすると、注入したヒアルロン酸の分解を早めたり、位置を移動させたりする可能性があるからです。
ヒアルロン酸注入後はバストが硬くなりやすいためマッサージをしたくなることもありますが、数週間で安定するため自然になじむのを待ちましょう。
脂肪注入豊胸とマッサージ
脂肪注入豊胸とは、自分から採取した脂肪を胸に注入する豊胸術で、ヒアルロン酸豊胸同様に術後のマッサージは避ける必要があります。
注入したばかりの脂肪に刺激を与えてしまうと、脂肪細胞が体に吸収されて生着率が低下してしまうからです。
生着しなかった脂肪はしこりになってしまうリスクもあるため、術後はバストに刺激を与えないような生活を意識しましょう。
成長再生豊胸とマッサージ
成長再生豊胸は胸に成長因子を注射してバストの自然な発育を促すという豊胸術で、マッサージの必要性は術式によって異なります。
例えば、南クリニックにはゆっくり成長させる「成長再生豊胸W」と即効性のある「成長再生豊胸F」がありますが、マッサージが必要なのはある時期を超えてからです。
成長再生豊胸Wは、初期のうちは、強い力を加えると、成長因子がバストの外に散ってしまうことがあるため、許可が出るまではマッサージを避けましょう。
成長再生豊胸Fの場合、1ヶ月以上経過すればマッサージによって成長因子が外に散ってしまうリスクはありません。むしろ、注入液の周辺に成長因子を拡散させることで、効果をより引き出せる可能性があります。
正しいマッサージを行うことで成長因子を胸全体にうまく拡散させ、乳腺や脂肪の成長を促しバストの成長を早める効果が期待できます。
成長再生豊胸の具体的なマッサージ方法に関しては下記の記事を参考にしてください。
>>医師直伝!成長因子をより作用させる豊胸後の2分マッサージケア!
南クリニックの成長再生豊胸
成長再生豊胸で得られたバストアップ効果は半永久的に持続するため、育乳マッサージを頑張り続ける必要はありません。
南クリニックで受けられる「成長再生豊胸W」と「成長再生豊胸F」の特徴や料金は下記の通りです。
<南クリニックの成長再生豊胸>
成長再生豊胸W |
成長再生豊胸F |
|
特徴 |
・3カ月~6カ月で大きくなっていくため、周りにバレにくい。 ・女性ホルモンの注射が不要のため、性周期が乱れない。 |
・成長再生豊胸の欠点をなくした治療 ・直後から豊胸効果が期待できる。 |
価格 |
1回:33万円 |
3セット分:104.5万円 |
大幅なボリュームアップを希望している方には、脂肪注入豊胸との併用治療も案内しています。
<南クリニックの脂肪注入豊胸+成長再生豊胸>
治療名 |
脂肪注入法+成長再生豊胸 |
治療方法 |
吸引した脂肪を特殊な技術で加工し、成長因子を混合させて注射液を作る。それを1時間ほどかけて丁寧にバストに注入していく。 |
価格 |
成長再生豊胸の費用(33万円~38.5万円)+ 脂肪注入費用55万円+吸引部位1箇所あたり33万円 |
本来、脂肪注入豊胸は脂肪が少ない方には不向きですが、成長再生豊胸と併用することで、体型問わず効果が期待できるようになりました。成長再生豊胸を検討している方は、ぜひ一度カウンセリングにいらしてくださいね。
まとめ
- バストの中身は主に枝状に広がった乳腺(母乳を生み出す器官)と脂肪のため、乳腺が発達していて脂肪が多いほどバストは大きくなる。 一般的には20代半ば頃に乳腺の発達が停止する。
- バストの丸みのある形は、乳房内に張り巡らされたクーパー靱帯によってつくられている。クーパー靱帯にゆるみが生じると、乳腺や脂肪が重力に負けてしまい「垂れ乳」となる
- 結論として、マッサージが直接的に乳腺や脂肪を発達させたり、クーパー靱帯のたるみを矯正したりすることは考えられない。ただし、血行促進やリラックス効果など間接的によい効果が期待できる。
- 育乳マッサージクリームや育乳マッサージ機の効果には医学的根拠がないため、活用によってバストアップが見込めるわけではない。
- 豊胸後のマッサージの必要性は治療方法によって異なるため、医師の指示に従う。特にヒアルロン酸豊胸や脂肪注入豊胸はマッサージをすると効果が失われる可能性があるため、注意が必要。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
の2種類があります。
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- すぐに大きくしたい方にオススメ
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- 段階的に大きくしたい方はこちら
当院には、
成長再生豊胸の他に脂肪注入法
もあります。
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- 豊胸と同時に痩身も可能