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公開日2023.05.21最終更新日2024.07.04垂れ乳
巨乳だと胸が垂れやすい?胸が大きい人の垂れ乳対策とは
「小さい胸より大きい胸のほうが垂れやすい」というイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか?
今回は、バストサイズと垂れやすさに関する医学的な研究を紹介し、胸の大きい人に適した垂れ乳対策について解説します。
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目次
巨乳は垂れる?バストのサイズと垂れやすさの関係
アメリカのケンタッキー大学で、バストが垂れやすい女性にはどんな特徴があるのかを調べる研究が行われました。
研究の対象になったのは、ケンタッキー大学の美容外科で豊胸術・乳房吊上術の診察を受けた132人の女性です。
診察時に撮影されたバストの写真をもとに、バストの垂れの程度を計測し、各女性の年齢やBMI、ブラジャーのカップ数、妊娠・授乳歴、生活習慣などのデータと比較しました。
その結果、以下のような特徴を持つ女性はバストが垂れやすいことがわかりました。
- BMIが高い(肥満度が高い)
- ブラジャーのカップ数が大きい
- 喫煙歴がある
- 年齢が高い
- 妊娠回数が多い
- 20キロを超えるような大幅な減量の経験がある
これによると、巨乳の女性(ブラジャーのカップ数がとくに大きい女性)の胸は、やはり垂れやすいようです。
BMIは肥満度を表す指標で、体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割った値です。例えば、体重50kgで身長160cm(=1.6m)なら、「BMI=50÷1.6÷1.6=約19.53」となります。
巨乳の方は比較的BMIが高い方が多いので、それも垂れやすさと関係していると思われます。
巨乳はなぜ垂れやすい?
バストが垂れる主な原因は、クーパー靱帯のたるみと乳腺の縮小(脂肪の割合の増加)です。巨乳の垂れやすさはそうした原因と関係しています。
バストが垂れる原因①:クーパー靱帯のたるみ
女性のバストは身体からかなり突き出しているので、何か支えがなければ重力に引かれて垂れてしまうはずです。その支えになっているのがクーパー靱帯です。
バストの中身の大半は乳腺と脂肪です。女性は思春期になると乳腺が枝分かれしながら発達し、その周りに皮下脂肪がついて、女性らしい乳房を持つようになります。
乳腺が発達するにつれて、クーパー靱帯も網の目のように広がっていきます。クーパー靱帯は乳腺を胸筋や皮膚につなぎとめて、バストを上向きに支えます。
クーパー靱帯は重力に抵抗してバストを支え続けているので、長年のうちに少しずつダメージが蓄積します。激しい運動などでバストが大きく揺れた際にも、クーパー靱帯がダメージを受けることがあります。
加齢とともにこうしたダメージによりクーパー靱帯にたるみが生じ、バストを支える力が弱まって、胸が垂れていきます。
出産後や大幅なダイエットの後にはクーパー靱帯のたるみが急に進むことがあります。先ほど紹介したケンタッキー大学の研究でも、妊娠回数が多い方や20kgを越えるようなダイエットを経験した方はバストが垂れやすいという結果が出ています。
なぜこうしたことが起こるかというと、クーパー靱帯はバストサイズに合わせて伸びることはあっても、もと通りに縮むことはないからです。
妊娠するとバストが平均2カップ程度大きくなり、それに合わせてクーパー靱帯も伸びます。断乳・卒乳後には急速にバストがしぼみますが、それに合わせてクーパー靱帯がもと通りにまで縮むことはなく、伸びたままなので、長さが余ってしまって、たるみます。
大幅なダイエットでバストがしぼんだ場合にも、同じ理由でクーパー靱帯のたるみが生じることがあります。
バストが垂れる原因②:乳腺の縮小
加齢によるホルモンバランスの変化により、40歳頃から乳腺は縮小し、脂肪の割合が増加していきます。乳腺の縮小は閉経後に一気に加速します。
脂肪は柔らかくて下に流れやすいので、脂肪が多めのバストは垂れやすい傾向があります。
40代以降の女性のバストはクーパー靱帯のたるみと乳腺縮小が重なり、だんだんと垂れが進行していきます。
巨乳が垂れやすい理由
バストは大きいほど重いので、かかる重力が大きくなります。また、小さい胸よりも身体から遠くに突き出しているので、支えるのは大変です。
そのため、クーパー靱帯の負担は小さな胸よりも大きく、ダメージが蓄積しやすいです。身体を動かしたときにバストが大きく揺れるのも、ダメージがたまりやすい原因です。
バストサイズは乳腺の量よりも脂肪の量で決まることが多いため、巨乳は小さな胸よりも脂肪の割合が多い傾向があります。年齢とともに乳腺が縮小すると、この傾向がさらに強まります。BMIが高くて巨乳の方はとくに脂肪の割合が多くなりがちです。
脂肪は下に流れやすい性質を持つため、脂肪が多いバストはクーパー靱帯が少したるんだだけで垂れが目立ちます。
巨乳が垂れるのを予防できる?
胸が垂れる要因は巨乳も普通の胸も共通しています。まとめると以下のようになります。
- 加齢、妊娠、大幅な減量→クーパー靱帯がたるむ→胸が垂れる
- 加齢、太る→脂肪の割合が増す→胸が垂れる
逆に言えば、胸が垂れるのをなるべく防ぐためには「妊娠しない」「大幅な減量をしない」「太らない」ほうが良いわけです。
胸の垂れを防ぐために妊娠しない、というわけには普通はいかないでしょうから、なるべく太らないようにし、大幅なダイエットは避けるようにするとよいでしょう。
妊娠しても、年齢を重ねても胸が垂れないようにする方法はないのでしょうか。バストの垂れを防ぐ方法として、「正しいブラジャーの着用」「大胸筋の筋トレ」「バストマッサージ」などがよく紹介されます。
結論だけ言うと、これらの方法ではバストの垂れを完全に防ぐことはできません。
これらの方法は垂れてしまった胸を改善する方法としても紹介されるので、次の章でまとめて解説することにします。
豊胸術の一種である成長再生豊には、バストの垂れを予防する効果もがあります。
成長再生豊胸は成長因子を注入してバストを思春期の頃のような状態にし、乳腺やクーパー靱帯を発育させる豊胸術です。乳腺やクーパー靱帯を育てることで、今後の垂れを予防する効果が期待できます。
垂れた巨乳を戻す方法は?
メディアでよく紹介されるのは、大胸筋の筋トレ、正しいブラジャーの着用、バストマッサージなどです。これらは垂れの予防と改善の両方に効果的とされます。
クリニックで受けられる垂れ乳の改善法には豊胸術、乳房吊上術、乳房縮小術などがあります。
垂れた巨乳を戻す方法①:大胸筋の筋トレ
バストの垂れの予防・改善に大胸筋の筋トレが有効と言われる理由は、以下の通りです。
- 乳房は大胸筋の上に乗っている
- 大胸筋は乳房の土台であり、乳房を上向きに支えている
- 大胸筋を鍛えると乳房を持ち上げる力が強まり、垂れの予防・改善につながる
①は真実ですが、②③は間違いです。乳房の根元は確かに大胸筋につながっていますが、乳房の膨らみは大胸筋に支えられてはいません。乳房の膨らみを支えているのはクーパー靱帯です。
バストが垂れるというのは、バストの根元が下がることではなくて、膨らみが下がることです。大胸筋は乳房の膨らみを支えているわけではないので、大胸筋を鍛えても垂れの予防・改善にはつながりません。
垂れた巨乳を戻す方法②:正しいブラジャーの着用
自分に合ったサイズで、ほどよいホールド力のあるブラジャーを着用していると、バストの垂れを予防できる(老化を遅らせることができる)と言われます。これは一般常識と言っていいでしょう。
ところが、実際にはこの説には科学的な証拠がありません。欧米では、ブラジャーにそうした効果はないとする説も広まっています。
それどころか、ブラジャーを着けているとクーパー靱帯の発育が悪くなり、かえって胸が垂れやすくなるという研究もあります。
その研究によると、ノーブラでいたほうがクーパー靱帯が強靱になり、乳首の位置が上がることがあるそうです。つまり、ノーブラこそバストの垂れの予防・改善に効果的、というわけです。
「ブラジャーを着けていないとバストの脂肪が脇や背中に移動してしまう」「脇などの脂肪を胸に寄せてブラで固定すると脂肪を胸に移動させることができる」といった説がメディアで紹介されることがあります。
ナイトブラや育乳ブラの効果を解説するメディアでよく見られる説ですが、これはまったくの誤りです。
脂肪はそんなふうに別の場所に移動したりはしません。移動させるとしたら移植手術が必要です。
垂れた巨乳を戻す方法③:バストマッサージ
バストの垂れを予防・改善したり、バストをボリュームアップさせたりするためのマッサージ法がメディアで多々紹介されますが、実際にはそうした効果は期待できません。
マッサージにより一時的に血やリンパの流れが改善したり、心身がリラックスしたりすることはありますが、一時的な効果に過ぎず、バストにはっきりした変化をもたらすことはないでしょう。
垂れた巨乳を戻す方法④:豊胸
豊胸でバストの中身を増やすと、バスト全体が張った感じになり、垂れは目立たなくなります。
巨乳の方の場合、バストがさらに大きくなってしまうことはデメリットかもしれません。
豊胸術には物を詰め込む方法(シリコンバッグ挿入・ヒアルロン酸注入・脂肪注入)とバストを発育させる方法(成長再生豊胸)があります。
物を詰め込む方法だと、さらに年齢が進んだときにより垂れやすくなるという難点があります。成長再生豊胸であれば乳腺やクーパー靱帯も発育させることができ、今後の垂れを予防する効果もあるので、豊胸するのであれば成長再生豊胸がおすすめです。
垂れた巨乳を戻す方法⑤:乳房吊上術・縮小術
乳房吊上術は、乳輪周辺と乳房下部の皮膚を縫い縮めて乳輪の位置を上げる手術です。乳輪周辺の皮膚を切除し、残っている皮膚と乳輪を縫い合わせることで、乳輪の位置を引っ張り上げます。
乳房縮小術はバストの皮膚・乳腺・脂肪を切除して乳房を小さくする手術ですが、乳輪よりも上の部分を中心に切除することで乳輪の位置を引き上げることもできます。
だらりと大きく垂れ下がった巨乳には乳房縮小術のほうが適しています。
乳房吊上術・縮小術は身体へのダメージが大きく、ダウンタイムが長く、目立つ傷跡が残りやすいというデメリットがあります。
垂れた巨乳にはバスト・タイト(エンブレイスRF)がおすすめ
ここまで紹介した方法のなかでバストの垂れを改善する効果があるのは、豊胸術と乳房吊上術・縮小術です。
巨乳の方はもうこれ以上バストを大きくしたくないという方が多いでしょうし、成長再生豊胸以外の豊胸術でバストの中身を増やすと将来さらに垂れやすくなる恐れがあります。
乳房吊上術・縮小術はそうしたデメリットはありませんが、バストに傷跡が残るのが難点です。
こうした難点を解消した方法に、バスト・タイト(エンブレイスRF)があります。バスト・タイトは高周波(RF)を胸に照射してクーパー靱帯や皮膚を引き締める施術です。ダメージが少なくてダウンタイムが短く、傷跡も残りません。
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まとめ
- アメリカの研究によると、ブラジャーのカップ数が大きい人は胸が垂れやすい。
- バストが垂れる主な原因は、クーパー靱帯のたるみと乳腺縮小(脂肪割合の増加)。
- 巨乳の人はクーパー靱帯にダメージが蓄積しやすく、脂肪の割合が高い場合が多いため、垂れやすい。
- 筋トレ・ブラジャー・マッサージなどには垂れを予防・改善する効果はない。
- 成長再生豊胸には垂れを予防する効果もある。
- 垂れを改善する方法には豊胸術、乳房吊上術、乳房縮小術、バスト・タイトがあるが、巨乳の人にはバスト・タイトがおすすめ。