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公開日2022.07.10最終更新日2023.08.01豊胸基礎知識
男性がバストアップクリームを使うとバストは大きくなる?
「バストアップ」の効果をうたったクリームやジェルがたくさん市販されています。これらは主に女性をターゲットにしたものですが、男性が使っても問題ありません。
このコラムでは、バストアップクリームの効能や男性が使用した場合の効果について、わかりやすく解説していきます。
目次
そもそもバストアップクリームの効果は?
バストアップクリームに含まれる主な成分
一般的に「バストアップクリーム」と呼ばれているクリームやジェルは、バストに塗ってマッサージすることで効果を発揮するとされています。
その効果のもととなる成分には、3つの種類があります。バストアップクリームにはこれらの成分が様々に配合されています。
- 保湿成分:ボルフィリン、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸など
- 弾力・ハリを補う成分:セサフラッシュ、コラーゲンなど
- 女性ホルモンに似た働きをする成分:大豆イソフラボン、プエラリアなど
皮膚・バストの構造とバストアップクリームに期待される効能
皮膚は表皮と真皮からなります。表皮は肌の潤いを保ち、外部の刺激から体を守る働きをしています(これらの働きは表皮の「バリア機能」と呼ばれます)。表皮の一番外側は角質層と呼ばれ、セラミドなどの保湿成分が含まれています。
真皮は表皮の下にあり、コラーゲンやヒアルロン酸などでできています。コラーゲンは肌に弾力を与え、ヒアルロン酸は水分を保つ働きをしています。
バストの中身は主に乳腺(母乳を作る組織)と脂肪からなります。思春期に女性ホルモンの働きで乳腺や皮下脂肪が発達し、女性らしい乳房が作られます。
また、バストの中にはコラーゲンなどでできたクーパー靱帯という強靱な組織が張り巡らされており、これが乳腺と脂肪を支え、ハリのある丸い形を保つ働きをしています。
バストアップクリームを塗ると、①の成分(保湿成分)によりバリア機能が高まり、皮膚に潤いとなめらかさが与えられ、②の成分(コラーゲンなど)が真皮やクーパー靱帯の弾力を補い、さらに③の成分(女性ホルモン成分)により乳房の発達が促される、と考えられそうです。
バストアップクリームの実際の効果
実際のところは、バストアップクリームには肌の保湿やキメを整える効果しか期待できません。
バストアップクリームの成分は表皮の角質層(一番外側)に浸透するだけで、真皮やバスト内部までは浸透しません。コラーゲンが含まれたクリームを塗っても、真皮やクーパー靱帯のコラーゲンが増えるわけではないのです。
コラーゲンやボルフィリンが角質層に浸透すれば表皮の潤いを保つ効果が期待できるため、表面的なハリは多少回復するかもしれません。しかし、弾力のあるバストにはなりませんし、垂れた胸が上向きになることもありません。
③の成分(女性ホルモンのような働きをする成分)も同様で、バストの内部に入り込んで乳腺発達を促すわけではありません。バストアップクリームには「バストアップ(乳房増大)」の効果はないのです。
バストアップクリームの効能書きをよく読むと、成分は表皮の角質層に浸透するとしか書いてありません。
広告やCMではよく「肌の角質層まで浸透し」といった表現が使われており、肌の奥深くまで浸透するかのような錯覚を誘いますが、角質層というのは一番外側の層で、まったく深くありません。
また、バストアップやバストリフト(バスト引き上げ)の効果があるとはっきり買いてあるものはありませんし、女性ホルモン成分については「女性らしさをサポート」といったあいまいな表現にとどめています。
バストアップクリームを使ったマッサージの効果
マッサージにも、直接的に乳腺を発達させたり、バストの弾力を取り戻したり、向きや形を整えたりする効果はありません。
「マッサージで胸の周りや背中にある脂肪をバストに移動させる」といったことがまことしやかに語られますが、それはありえません。脂肪をほかの部位に移すには移植手術(脂肪吸引・脂肪注入)が必要です。
マッサージに期待できるのは血行促進やリラックスの効果です。こうした効果がめぐりめぐってバストの健康を促進するということは考えられます。バストが発育中の女性であれば、マッサージが間接的にバストの発育によい影響をあたえることもあるかもしれません。
ただし、あまり激しくバストをマッサージするとクーパー靱帯にダメージを与え、逆効果となる恐れがあります。
男性がバストアップクリームを使ったらどんな効果がある?
バストの発育、弾力・ハリ、潤いなどの仕組みについては、男性も女性も基本的には同様です。したがって、男性がバストアップクリームを塗ってもバストが大きくなることはありません。
男性の場合、女性ホルモンが少ないため思春期に乳腺や皮下脂肪が発達せず、女性らしい体つきにはなりません。MTFの方が体を女性化する場合、女性ホルモンの注射(ホルモン補充療法)を受けるのが一般的です。
バストアップクリームのなかには女性ホルモンのような働きをする成分が含まれているものがありますが、これを男性の体に塗っても体内の女性ホルモンが増えるということはありません。
バストの皮膚にカサつきなどのトラブルがあれば、保湿のためにクリームを塗るのはよいことでしょう。ただし、バストアップクリームでなく普通の保湿クリームでも十分と考えられます。
まとめ
- バストアップクリームには保湿成分、弾力・ハリを向上する成分、女性ホルモンのような働きをする成分が含まれる。
- バストアップクリームの成分は表皮の角質層までしか浸透しない。
- バストアップクリームには保湿効果はあるが、バストを大きくしたり弾力を回復したりする効果はない。
- 男性も女性と同様で、バストアップクリームでバストが大きくなることはない。
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