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公開日2022.02.15最終更新日2022.02.15豊胸基礎知識

プロゲステロン(黄体ホルモン)で起こる体の変化

プロゲステロン(黄体ホルモン)は女性ホルモンの一種です。もうひとつの女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とともに、月経や妊娠などをコントロールし、乳房の発育にも関わります。

プロゲステロンと似た働きをする人工物(プロゲステロン製剤)が、月経異常や更年期障害、性同一性障害などの治療で使われています。

このコラムではプロゲステロンとプロゲステロン製剤の働きを解説し、豊胸術としての活用方法も紹介します。

プロゲステロンの働きで起こる体の変化

月経周期とプロゲステロンの働き

月経周期はプロゲステロンとエストロゲンの働きでコントロールされています。

卵巣にある卵胞はエストロゲンの働きにより成熟します。エストロゲンは子宮内膜の細胞を増殖させ、分厚くする働きも持ちます。

卵胞が成熟し、子宮内膜が厚くなると、卵胞から卵子が排出されます(排卵)。すると今度はプロゲステロンの働きが活発になり、子宮内膜を変化させて、受精卵が着床しやすい状態をつくります。

卵子が受精し子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。受精しなかった場合、一定期間でプロゲステロンとエストロゲンの濃度が低下し、やがて子宮内膜が剥がれ落ちて、血液と一緒に排出されます。これが月経です。

プロゲステロンは体温を上昇させる作用を持つので、排卵後にプロゲステロンの働きが活発化するにつれて体温が上昇します。プロゲステロンの濃度が低下すると体温も下がり、月経後から次の排卵前までは低温期となります。

低温期と排卵後の高温期の温度差は0.3~0.6℃程度です。妊娠した場合は高温期がずっと続きます。

起床後すぐの安静時の体温(基礎体温)を定期的に測ることで、月経周期の状況(正常か、乱れているか)や、妊娠の有無などを知ることができます。

月経前症候群・月経前不快気分障害とプロゲステロン

月経前に様々な不調を感じる女性が少なくありません。生理前の不調には、月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)があります。

PMSでは、イライラや憂うつなどの精神症状と、のぼせ、下腹部の痛み、頭痛などの身体症状が発生します。

PMDDでは、焦燥感や不安感が生じたり、急に涙もろくなったりするなど、PMSよりも強い精神症状が現れます。

PMS・PMDDの原因はまだはっきりとはわかっていませんが、プロゲステロンの増加が引き金になると考えられています。

妊娠・授乳とプロゲステロンの働き

妊娠が成立しなかった場合はプロゲステロンとエストロゲンの濃度は低下していきますが、妊娠した場合には逆に濃度が上昇し続け、女性の体を出産に向けて大きく変化させていきます。

プロゲステロンは妊娠前には主に妊娠の準備(受精卵が着床しやすい環境の整備)を行い、妊娠後には主に妊娠を維持する働きをします。そのため、「妊娠ホルモン」という別名があります。

プロゲステロンには陣痛や分娩を引き起こす働きもあり、プロゲステロンが適切に働くことでちょうどよいタイミングに分娩が行われます。

分娩で胎盤が排出されるとプロゲステロンの濃度が急激に下がります。これにより乳汁の分泌が促進されます。

第二次性徴とプロゲステロンの働き

思春期の第二次性徴(大人の体への変化)は、女性ホルモン(男性であれば男性ホルモン)の働きで引き起こされます。

女性らしい体(柔らかく膨らんだ乳房など)は主にエストロゲンの働きによりつくられますが、プロゲステロンもそれを支える働きをします。

プロゲステロン製剤の働き

プロゲステロンと似た構造・作用を持つ薬剤(プロゲステロン製剤)が、以下のような様々な症状の治療に用いられています。働きの低下している女性ホルモンを薬剤によって補充することから、ホルモン補充療法と呼ばれます。

 ①月経や子宮の異常(無月経・月経周期異常・子宮出血など)
 ②不妊症
 ③早産
 ④更年期障害
 ⑤性同一性障害(MTF)

プロゲステロンが正常に働かないことが原因となって①~③の症状が起こることがあり、プロゲステロン製剤で治療したり予防したりすることができます。

更年期障害(④)の主な原因は、加齢によりエストロゲンの分泌が低下することです。そのため、治療には主としてエストロゲン製剤が用いられます。

エストロゲンには子宮内膜の細胞を増殖させる働きがあるため、エストロゲン製剤の投与で子宮内膜が過剰に増殖してしまい、子宮内膜がんの原因になることがあります。それを予防するために、子宮内膜を保護する働きを持つプロゲステロン製剤が同時に投与されます。

男性としての体に明確な違和感・不快感を持ち、体を女性化することを望むMTFの方(⑤)に対しては、エストロゲン製剤の投与で体を女性らしくする治療がしばしば行われます。

思春期初期で、男性としての第二次性徴があまり現れていない段階のMTFの方の場合、プロゲステロン製剤によって第二次性徴を抑制するという治療法が用いられることがあります(その後、エストロゲン製剤による治療に移行します)。

なお、外国で開発されたプロゲステロン製剤で、日本では認可されていないもの(「プロゲスタン」など)が、インターネット通販(個人輸入代行サイト)で販売されていますが、これらはおすすめできません。

女性ホルモン製剤にはつかい方を間違えると大きな副作用があり、個人の判断で利用するのは危険です。また、通販で売られている薬には偽物(効果がないもの、副作用のリスクが高いもの、異物が混入しているもの)も多く混じっています。

プロゲステロンと豊胸

思春期や妊娠期には女性ホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)の働きで乳房が大きく発達します。

したがって、単純に考えると、女性ホルモン製剤を投与したり女性ホルモンに似た働きをする栄養素を摂取したりすれば豊胸できそうに思えます。実際にそのような情報を広めているメディアもあります。

しかし、大人の女性の場合は女性ホルモンを補充しただけでは豊胸できません。乳房が発達するには女性ホルモンだけでは不十分で、乳腺の細胞を増殖させるための成長因子が必要ですが、大人の女性の乳腺には成長因子があまり存在しないからです。

思春期の女性であれば、成長因子をたくさん持っているので、女性ホルモン投与で乳房を大きくできる可能性があります(ただし女性ホルモン製剤には副作用もあるため、女性ホルモンが病的に不足しているような場合にしか用いられません)。

豊胸術のひとつに、成長因子を胸に注入する成長再生豊胸があります。成長再生豊胸を受けている場合、プロゲステロン製剤やエストロゲン製剤を適度に使用することで豊胸の効果を高められる可能性があります。

とくに、エストロゲン濃度が低下している更年期女性の場合には、成長再生豊胸と女性ホルモン補充療法を併用するのがおすすめです。

まとめ

  • プロゲステロンはエストロゲンとともに月経や妊娠、第二次性徴に関わる。
  • プロゲステロン製剤が月経異常や不妊症、早産、更年期障害、性同一性障害の治療に用いられている。
  • プロゲステロン製剤を投与しただけでは豊胸はできない。
  • 成長再生豊胸を受けていればプロゲステロン製剤・エストロゲン製剤で豊胸効果を高めることができる。
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成長再生豊胸には、
成長再生豊胸F成長再生豊胸W
2種類があります。

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