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公開日2024.10.01最終更新日2024.12.09豊胸基礎知識
豊胸で乳がんになりやすくなるって本当?治療法ごとに関連性や検査方法を解説
「豊胸をすると乳がんになりやすくなると聞いて、豊胸術を受けようか迷っています。」
豊胸でバストアップしたくても、乳がんの発症リスクが高くなるのであれば、当然ためらってしまいますよね。
本記事では、シリコンバック豊胸やヒアルロン酸注入法など、主な豊胸術と乳がんの関係や検査方法などについて紹介していきます。
目次
豊胸すると乳がんになりやすいって本当?
結論から申し上げますと、「豊胸=乳がんになりやすくなる」ということはありません。
ただし、豊胸術の種類や患者様の体の状態によっては、豊胸と乳がんの関係がゼロではないと考えられます。
実際に、日本臨床外科医学会雑誌では1996年に「豊胸術後に発生した乳癌の3例」という論文が公開されています。
とはいえ、実際に豊胸が原因で乳がんになるのはごくまれなケースです。豊胸術ごとに乳がんとの関係性を詳しく解説していきます。
豊胸すると乳がん検診ができない?
豊胸後、しばらくは乳がん検診が受けられない期間がありますが、一定期間を経過すれば検診が可能となるケースがほとんどです。
ただし、患者の状態や豊胸術によっては受けられる検査が限られたり、正確に検査ができないことがあるため注意が必要です。
シリコンバック豊胸後の乳がん検診はエコーのみ
シリコンバック豊胸後はマンモグラフィ検査が受けられないため、エコー検査のみとなります。
マンモグラフィ検査では、乳房を板で強く圧迫することから、検査時にシリコンバックが破損するリスクがあるからです。
シリコンバック豊胸を検討している方は、豊胸を受ける前にマンモグラフィ検査を含めた乳がん検査を受けておきましょう。
豊胸後の乳がん検診に関しては、このあと豊胸術ごとに詳しく解説します。
主な豊胸術と乳がんの関係|なりにくい豊胸は?
主な豊胸術と乳がんとの関係性は下記の通りです。
豊胸術の種類 |
乳がんとの関係 |
• シリコンバック豊胸 |
状況によっては乳がんの要因になることがある |
• 脂肪注入豊胸 |
乳がんの要因になりにくい |
シリコンバック豊胸とヒアルロン酸豊胸では、状況によって乳がんの要因になることがあると考えられています。
なお、シリコンバック豊胸、ヒアルロン酸豊胸、脂肪注入豊胸を受けた方が乳がん検診を受ける際は、安全のために豊胸していることを伝えておきましょう。
それぞれの豊胸術と乳がんとの関係や検診方法、乳がん以外のリスクについて詳しく解説していきます。
シリコンバック豊胸|状況によっては乳がんの要因になる
シリコンバッグ豊胸とは、バスト内の乳腺や大胸筋膜の下に専用のシリコンバッグを挿入して胸を大きくする豊胸術です。
シリコンバッグは、劣化したり強い圧迫が加わったりした際に中身がにじみ出たり、破損して中身が周囲に漏れることがあります。
そういった状態を放置すると、炎症を起こしてがんの要因となる可能性があるのです。
シリコンバック豊胸後の乳がん検診
シリコンバック豊胸を受けた方の乳がん検診は、下記のような特徴があります。
- マンモグラフィ検査が受けられなくなるため、エコー(超音波)検査のみとなる
- シリコンバックはエコー検査でもくっきり映るため、「バレたくない」という気持ちから検査を受けない方も多い
必ずしもマンモグラフィ検査が受けられないわけではありませんが、シリコンバックが破損するリスクがあることから断る施設が大半だと言えるでしょう。
マンモグラフィ検査ではエコー検査で発見しにくい石灰化※が確認しやすく、乳がんの死亡率の減少が科学的に認められているため、乳がんの早期発見には欠かせません。
また、シリコンバック豊胸がバレたくないという気持ちから乳がん検査を受けない事例もあります。
これらの特徴から、シリコンバック豊胸後は検査の頻度や精密度が低くなるため、乳がんの発見が遅れてしまうリスクがあるのです。
※小さなカルシウムの沈着で、がんに伴って生じる石灰化がある
シリコンバック豊胸の乳がん以外のリスク
劣化したシリコンバックを放置すると、破損して次のような症状を引き起こす可能性があります。
・炎症によりバストが大きく腫れ上がる
・バストの張りがなくなる
・バストの形が崩れる
・バストに強い痛みを感じる
破損していなくても、シリコンバックの周りに硬い被膜ができる「カプセル拘縮」が起こると、ボールのように硬くなったり、凸凹ができたりすることがあります。
シリコンバックは10年に1回の入れ替えが推奨されているため、特に違和感がない場合もできるだけ入れ替えるようにしましょう。
ヒアルロン酸豊胸|状況によっては乳がんの要因になる
ヒアルロン酸豊胸は、粒子の大きいヒアルロン酸を注射器で胸に注入してバストを大きくする豊胸術です。
ヒアルロン酸とがんの関係については、東京大学のグループが研究※を行っています。
ヒアルロン酸は長い鎖のような形をした分子です。
長いヒアルロン酸はがんを抑制する働きをするのに対し、短いヒアルロン酸は、がんの発症を促したり悪化させたりすることが研究で明らかになりました。
健康な体にヒアルロン酸を注入しても問題ありませんが、炎症がある箇所に注入すると分解する際に短いヒアルロン酸ができてしまい、がんの要因になる可能性があります。
すでにがんが生じている箇所に注入してしまった場合は、がんを進行させてしまう可能性もあるのです。
※東京大学「がんの発症・進展におけるヒアルロン酸の「ジキルとハイド的」役割」
ヒアルロン酸豊胸後の乳がん検診
ヒアルロン酸豊胸後は注入から1ヶ月以上経過すれば、マンモグラフィ含む全ての乳がん検査が受けられるようになります。
ただし、デンスブレスト(高濃度乳房)の方の場合は、マンモグラフィ検査の診断が困難になる可能性があるでしょう。
デンスブレストとは、乳腺の密度が高いバストのことで、豊胸術を受けていなくてもマンモグラフィ検査でしこりを見つけるのが難しいという特徴があります。
デンスブレストの方にヒアルロン酸を注入すると、ヒアルロン酸が乳腺を押し上げるため、さらに乳がんを見つけるのが困難になる可能性があるのです。
ヒアルロン酸豊胸の乳がん以外のリスク
ヒアルロン酸注入法では、下記のようなリスクがあります。
- まれに手術の際に炎症ができることがあり、かなり痛みが出る。注入箇所に炎症があった場合も同様。
- 質の悪いヒアルロン酸を使用した場合は医師の技術不足により、しこりを残す可能性がある。
痛みしこりを感じたら、すぐに受診して炎症を治すかヒアルロン酸・しこりを取り除く処置をしてもらいましょう。
しこりができると見た目や手触りに影響を与えたり、がんを疑われて精密検査が必要になったりすることがあります。
しこりのリスクを減らすためには、激安クリニックや評判が悪いクリニックを避けることが大切です。
脂肪注入豊胸|乳がんの要因になりにくい
脂肪注入豊胸とは、お腹や太ももなどから採取した脂肪を加工して胸に注入してバストを大きくする豊胸術です。
脂肪注入豊胸は自分の脂肪を注入するため拒否反応も少なく、乳がんの要因になりにくいとされています。
脂肪注入豊胸後の乳がん検診
脂肪注入豊胸後はマンモグラフィ含む全ての乳がん検査が受けられます。
脂肪が多く定着した胸は、乳腺組織の状態が不鮮明になることがあり乳がんを発見しにくい可能性があるため、できるだけ複数の検査を併用することが大切です。
ただし、注入直後の脂肪は外部からの刺激によって脂肪の定着率を下げてしまう可能性があります。
そのため、胸を圧迫するマンモグラフィ検査は術後半年以降に受けるようにしましょう。
脂肪注入豊胸の乳がん以外のリスク
脂肪注入豊胸では、注入した脂肪に不純物が混ざっていたり、医師の技術不足によりしこりを残すリスクがあります。
ヒアルロン酸同様に、しこりができると見た目や触り心地に違和感が生じたり、がんを疑われたりするため、除去するための手術が必要です。
成長再生豊胸|乳がんの要因になりにくい
成長再生豊胸とは、胸に成長因子を注入して乳腺を発達させてバストを育てる治療です。
成長因子に発がん性はないため、乳がんの要因になりにくいとされています。
しかし、すでに乳がんを発症している方が成長再生豊胸を受けると、がん細胞の増殖を促し、がんを進行させてしまう恐れがあります。
成長因子は、脂肪組織だけでなくがん組織も増殖させる働きがあるからです。成長再生豊胸を受ける前には、乳がん検査を受けておきましょう。
成長再生豊胸後の乳がん検診
成長再生豊胸後は、マンモグラフィ含む全ての乳がん検査が受けられます。検査のタイミングは、医師の指示に従いましょう。
成長再生豊胸は他の方法と違って乳がん検査の妨げになることはありません。
まさに胸を張って乳がん検査を受けられるため、そういった意味でも「乳がんになりにくい豊胸術」とも言えるかもしれませんね。
成長再生豊胸の乳がん以外のリスク
成長再生豊胸では、注入箇所の若干の腫れや内出血などのダウンタイムは多少ありますが、その後のリスクはほとんどありません。
治療方法によっては、薬液の吸収途中にしこりのようなものを感じることがありますが、薬液が全て吸収された後は気にならなくなります。
乳がんになったら豊胸は受けられない?
乳がんの治療後は、患者の状態に応じて乳房再建術を受けることが可能です。
美容外科ではシリコンバック挿入や脂肪注入法などが用いられていますが、受けられる方は限られているため、医師との相談が必要です。
豊胸前には必ず乳がん検診を受けよう
ここまで、豊胸術によってはマンモグラフィ検査が受けられなかったり、検査の頻度が減ってしまう可能性があることをお伝えしました。
また、実は乳がんに羅患していた場合は、豊胸を受けることで病状を進行させるリスクもあります。
そのため、どんな豊胸術を検討していている場合でも、必ず治療を受ける前に乳がん検査を受けておきましょう。
なお、検査はエコー検査とマンモグラフィ検査の両方を受けておくことをおすすめします。
まとめ
- 「豊胸=乳がんになりやすくなる」ということはない。ただし、豊胸術の種類や患者様の体の状態によっては、豊胸と乳がんの関係がゼロではないと疑われている。
- シリコンバック豊胸とヒアルロン酸豊胸は、状況によっては乳がんの要因になることがある。一方、脂肪注入豊胸と成長再生豊胸は乳がんの要因になりにくいと考えられている。
- シリコンバック豊胸以外は、マンモグラフィを含むすべての乳がん検診が受けられる。しかし、患者の状態や豊胸術によっては受けられる検査が限られたり、正確に検査ができないことがあるため注意が必要。
- 乳がんに羅患していた場合は、豊胸を受けることで病状を進行させるリスクがある。そのため、どんな豊胸術を検討していている場合でも、必ず治療を受ける前に乳がん検査を受けておくことが大切。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
の2種類があります。
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- すぐに大きくしたい方にオススメ
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- 段階的に大きくしたい方はこちら
当院には、
成長再生豊胸の他に脂肪注入法
もあります。
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