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公開日2022.03.23最終更新日2022.04.01豊胸基礎知識
ホルモン注射をすると乳がんリスクが高くなる?
女性ホルモンを注射などで補充する方法は更年期障害の女性やMTF(性同一性障害で女性化を希望する方)の治療で使われるほか、豊胸手術でも併用されることがあります。
女性ホルモン注射は乳がんリスクを高めるという話がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。女性の場合と男性の場合を比較しながら、ホルモン注射と乳がんの関係を解説します。
目次
女性と男性の乳がんの違い
乳がんというと女性の病気というイメージがありますが、実際には男性でも乳がんになることがあります。
乳がんは乳腺にできるがん(悪性腫瘍)です。乳腺は母乳をつくる機能を持つ組織で、女性は思春期に乳腺が発達することにより女性らしい乳房を持つようになります。男性にも乳腺はありますが、女性のようには発達しません。
女性は乳腺が発達しているぶんだけ乳がんになりやすく、男性は乳腺が少ないため乳がんになることはまれです。男性の乳がん患者は乳がん患者全体の1%程度と言われています。
アメリカの研究によると、女性の8人に1人は生涯で1度は乳がんになるのに対し、男性は1,000人に1人しか乳がんになりません。
乳がんのなりやすさには大きな男女差がありますが、乳がんの症状や進み方、治療方法は基本的に変わりません。
男性の場合、乳がんになってもしこりなどの症状を自覚しにくく、男性に対する乳がん検査もあまり行われていないことから、男性の乳がんはかなり進行してから発見されるケースが多い傾向があります。
ホルモン療法と乳がんリスク
女性のホルモン療法と乳がんリスク
女性ホルモンを補充する方法は更年期障害の治療でよく用いられます。
女性は40代から50代の間に閉経を迎えます。閉経前後の10年程度は更年期と呼ばれ、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の量が不安定になり、段々と減少していく時期です。
エストロゲンの変化により、急なほてり、発汗、めまい、息切れ、気分の落ち込み、情緒不安定、不眠などの症状が現れます。症状が重く、生活に影響を及ぼすほどであれば更年期障害と診断され、女性ホルモンを補充する治療が行われます。
更年期障害はエストロゲンの減少により起こるため、エストロゲン製剤(エストロゲンと同様の働きを持つ薬剤)の補充が中心となります。
エストロゲンだけを補充すると子宮内膜がんのリスクが高まってしまうため、それを抑えるために黄体ホルモン(プロゲステロン)というもう1種の女性ホルモンを同時に補充するのが一般的な治療法です。
ところが、エストロゲンと黄体ホルモンを合わせて補充する治療法では乳がんのリスクが高まることが知られています。長く続けるほど乳がんのリスクが高くなります。一方、エストロゲンのみを補充する治療法では乳がんリスクが高まることはありません。
エストロゲン+黄体ホルモンの補充は乳がんリスクを高めますが、それほど大きく高めるというわけではありません。運動不足や肥満、アルコール摂取などの生活習慣の影響と同程度かそれ以下だと言われています。
男性のホルモン療法と乳がんリスク
男性としての体に違和感を持ち、女性化することを希望する方(MTF)に対しては、エストロゲンを補充する治療が行われています。エストロゲンを補充すると、乳腺が発達し、体毛が薄くなるなどして、ある程度女性的な体になっていきます。
思春期前半の段階では、男性的な体の特徴が現れるのを抑制するために、黄体ホルモンを投与する治療が行われることがあります。
こうした治療が直接的に男性の乳がんリスクを高めることはないと考えられますが、乳腺が発達するにつれて一般の女性と同じ程度に乳がんになりやすい体に近づいていくということにはなります。
豊胸で行われるホルモン注射の乳がんリスク
更年期以降の女性やMTFの方が成長再生豊胸を受ける場合、ホルモン注射を併用すると効果が高まります。
成長再生豊胸は成長因子という物質を胸に注射して乳腺の発達を促すという豊胸術です。成長因子は乳腺の細胞を増殖させる働きを持ちますが、十分に効果を発揮するには女性ホルモン(エストロゲン)の働きが必要です。
更年期以降の女性やMTFの方はエストロゲンが不足しているため、成長再生豊胸とともにエストロゲンの補充療法を行います。
女性の場合、ホルモン注射の量や期間によっては子宮内膜がんのリスクが高くなるため、黄体ホルモンも注射することが必要になり、そうすると乳がんのリスクがわずかながら高くなります。
ホルモン注射による乳がんリスクはもともと大きくありませんし、成長再生豊胸の場合は更年期障害の治療ほど長期にわたってホルモン注射を行うわけではないため、さらにリスクは小さいと言えます。
いずれにしても、定期的に乳がん検査を受け、自分でしこりなどの異常に気づいたら早めに医療機関で見てもらうことが大切です。成長再生豊胸はシリコンバッグ挿入法などと違って乳がん検査の妨げになることはなく、豊胸していることを申告する必要もないので、ぜひ積極的に検査を受けてください。
まとめ
・男女で乳がんの症状や治療法に違いはないが、男性の乳がんは女性に比べてまれ。
・更年期障害に対して行われるエストロゲン・黄体ホルモン併用療法では乳がんリスクが高まるとされるが、影響は小さい。
・MTFの方の場合、ホルモン注射で女性化すれば一般の女性と同程度には乳がんになりやすい体になる。
・更年期以降の女性やMTFの方の場合、成長再生豊胸でホルモン注射が併用されるが、乳がんリスクを過度に心配する必要はない。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
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