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公開日2022.02.13最終更新日2022.03.04豊胸基礎知識
豊胸はアレルギー反応を起こす可能性があるのか?
豊胸手術では異物を体内に入れることになるため、アレルギー反応が起こる可能性が考えられます。
実際にはどの程度の危険があるのでしょうか。アレルギーの基礎知識と豊胸でアレルギー反応が起こる可能性について、わかりやすく解説します。
目次
アレルギー反応とは
アレルギー反応は免疫の働きによって起こります。
病原体や花粉などの異物が体内に入ってくると、免疫システムが働いてこれを撃退します。その際に発熱やせき・くしゃみ、炎症などの症状が出ますが、これらは実は免疫が引き起こしているものであり、異物の撃退に必要なものなのです。
これまで侵入したことがない新しいタイプの異物が入ってくると、まずはどんな異物にもある程度対応できる「何でも屋」の部隊が攻撃をしかけます。これを自然免疫といいます。
戦いがある程度進むと、この特定の異物(特定のウイルス・花粉など)にだけ専門的に対処する体制が体内につくられます。これは獲得免疫と呼ばれます。
獲得免疫ができると、その異物を素早く的確に撃退できるようになります。次に同じ異物が侵入してきたときには、最初のときよりもずっと早く撃退でき、異物が悪さをするのを防いだり、悪さをしても軽い症状で済んだりするようになります。
ところが、場合によっては獲得免疫が過剰に反応し、体にとって問題がないようなささいな異物(危険性のない異物やごく少量の異物)が侵入しただけで激しい攻撃をしかけるようになってしまうことがあります。
侵入した異物はささいなものであるにもかかわらず、免疫の働きで炎症やくしゃみなどの症状が出てしまい、異物よりもこの症状のほうが大きな問題になります。これがアレルギー反応と呼ばれるものです。
症状が強くて持続する場合、アレルギー性の病気と診断されます。花粉症、各種の食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などが代表的です。
移植された臓器を免疫が攻撃し続けてしまう状態(拒絶反応)も、一種のアレルギー反応です。
豊胸手術でアレルギー反応が起こることはある?
豊胸で体内に入れる物質は基本的に安全
豊胸手術では何らかの異物(もともとそこにはないもの)を体に入れることになります。
しかし、豊胸手術で用いる物質(シリコンバッグ、ヒアルロン酸製剤、自分の脂肪、成長因子製剤)がアレルギー反応を引き起こすことはないと言ってよいでしょう。
シリコンバッグ、ヒアルロン酸製剤、成長因子製剤はアレルギー反応が出ないような物質で作られています。脂肪注入法で注入する脂肪は自分の体からとったものなので、移植の拒絶反応としてアレルギーが起こることはありません。
添加物・混入物がアレルギー反応を起こすことはある
ただし、物質の製造過程で含まれる少量の添加物や混入物がアレルギー反応を引き起こすことはありえます。
とくに、ヒアルロン酸注入法ではある程度まとまった量の製剤をバストに直接注入するため、添加物・混入物がアレルギー反応を引き起こす可能性が比較的高いと言えます。とはいえ、その確率は非常に低いものです。
シリコンバッグが劣化や衝撃により破損した場合にも、アレルギー反応が生じる可能性があります。
手術時の異物侵入・接触でアレルギー反応が起こることもある
シリコンバッグ挿入法では、脇の下などを切開してシリコンバッグを挿入するというやや大がかりな外科手術が行われます。
その際に、シリコンバッグ以外の異物が体内に侵入し、感染症やアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
脂肪注入法では余分な脂肪のある部位から脂肪を吸引して採取し、バストに注入します。シリコンバッグ挿入法ほどではありませんが、体をある程度傷つける手術ですので、感染症やアレルギー反応の恐れがあります。
ヒアルロン酸注入法や成長再生豊胸では注射で製剤を注入するだけなので、こうした危険性は低いと考えられますが、ゼロとは言えません。
豊胸手術を行う際には、器具などを滅菌し、患者さんには抗生剤を服用してもらうなどの処置をすることで、できる限り危険を小さくしています。したがって、手術時の異物侵入でアレルギー反応が起こる可能性は非常に低いと言えます。
ただし、抗生剤に対してアレルギー反応を起こす患者さんもいるため、患者さんごとに抗生剤の種類を選ぶ必要があります。
また、アトピー性皮膚炎の方は皮膚が刺激や病原体に対して弱いため、豊胸手術でアレルギー反応による炎症などが生じるリスクが高くなります。
天然ゴムに接触するとじんましんなどの症状が出る「ラテックスアレルギー」の方も注意が必要です。手術で用いられるゴム手袋などが原因となってアレルギー反応が起こる危険があります。こうした危険を避けるため、近年では天然ゴム製の道具を手術に用いない医師が増えています。
豊胸でアレルギー反応を引き起こさない方法
過去に薬剤でアレルギー反応が起きた経験のある方や、アトピー性皮膚炎、ラテックスアレルギーがある方は、事前に医師に伝えてください。
必要に応じて手術前の診察やパッチテストなどで医師もアレルギーの有無を確認しますが、すべてをチェックすることは難しいため、患者さんとしても自分のアレルギーを把握し、医師に伝えておいたほうが安全です。
また、豊胸術の種類(体を傷つける程度や注入する製剤の性質・量)によってアレルギー反応の起きやすさは異なりますので、なるべくアレルギー反応が起こりにくい方法を選択するのがよいでしょう。
ヒアルロン酸注入法は豊胸術のなかでは比較的アレルギー反応が起こりやすい方法です。シリコンバッグ挿入法も、体を傷つける程度が高いため、アレルギー反応が生じる可能性がやや高いと言えます。
脂肪注入法も施術のやり方によっては危険が大きくなるため、技術が高く信頼できる医師を選ぶことが大切です。
成長再生豊胸は成長因子を注射するだけですので、アレルギー反応のリスクは最も低いと言えます。
ただし、成長因子と一緒に別の物質も注入する場合はアレルギー反応のリスクが多少高くなることもあるため、アレルギー体質の方などは手術前に医師とよく相談してください。
まとめ
- アレルギー反応は異物に対して免疫が過剰に反応することで起こる。
- 豊胸手術で用いる物質は基本的にアレルギー反応を引き起こさない。
- 添加物・混入物でアレルギー反応が生じることはありうる(とくにヒアルロン酸注入法)。
- 手術時のダメージや手術に用いる器具・薬剤がアレルギー反応を引き起こすこともある。
- アレルギー体質の方は自分のアレルギーを医師に伝え、できるだけ安全な豊胸術(成長再生豊胸など)を選ぶとよい。
成長再生豊胸には、
成長再生豊胸Fと成長再生豊胸W
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当院には、
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